台北で食い倒れの合間に仕事をした
仕事で台北に行く機会があり良い機会なので少し観光もしてみようと思っていたところ、観光と食べ歩きのほうがメインになってしまった記録。
1日目:身振り手振りでご飯を食べさせてもらう
成田空港から出発するJALの飛行機を利用して桃園国際空港に着いた。今回利用したSheraton Grand Taipei Hotelは年末ということも手伝ってか少し割高な価格に思えたが、台北駅からの距離も近く結果としては良い選択だった。
自宅を出発したのは午前中だったのにホテルに到着したらもうあたりが暗くなる時間だったので、ひとまず晩ごはんを食べに出かけることにした。
小品雅厨
日本を出発する時点で自分が台湾に関して持ち得る知識は「魯肉飯」「小籠包」のみだったので飛行機内で少し予習をしたところ、幾つかの良さそうなお店を見つけることができた。一番最初に向かった小品雅厨もその一つ。
店内に入るとカウンターに沢山の大皿料理が並んでいて、その中から好きなものを取ってもらって食べるスタイル。写真に写っている3品+お粥で100台湾ドルもしなかった気がする。ちなみに台湾ドル/円レートを調べていないのでこの3日間の旅ではかなりゆるふわな金銭感覚で過ごしていた。
小品雅厨には英語が通じる店員さんはいなかったけど、身振り手振りでなんとかご飯にありつくことができた。この夜は食べ歩きをすると決めていたので、この店ではコンディション調整目的で軽く食べるのみに留めた。
雙城街夜市
続いて徒歩10分程の距離にある雙城街夜市に向かう。ここも機内で仕入れた情報の一つで、美味しい魯肉飯の店があるらしかった。ところがいざ向かってみるとそのお店は閉店しており、仕方がないので嗅覚を頼りに立ち並ぶ屋台から良さげなお店を探すこととなった。
屋台はバリエーション豊富で、肉まんやら魯肉飯やら麺類やら串焼きやら何でもこいだ。ただ僕らは直前まで魯肉飯の口になっていたこともあり、素直に魯肉飯を提供する屋台に狙いを定めた。
雙城街夜市は、この後向かったもう一つの夜市と比べるとローカル色が強く、こちらでも英語ではなくバイブスでのコミュニケーションで乗り切ることになった。屋台のお母さんがすごくいい人で、お前日本人か?メニュー分かるか?と色々と気にかけてくれた。
こうして注文して出てきた40元の魯肉飯がこちら。
自分の魯肉飯経験は東京でのものだけだったので、現地で魯肉飯と言って出された品がだいぶ素朴だったことに初めは驚いた。ただ魯肉飯はこの後も3日間いろいろなところで食べることになるのだが、どこも素朴だったのでこんなものなんだと思う。
東京で独自進化を遂げている魯肉飯は見た目にも豪勢なボリューム満点のものが多いが、当地でのそれはラーメンに対する半ライスのようにちょっとしたサイドメニューの位置づけなのかもしれない。
士林夜市
雙城街夜市から電車で移動して次の夜市に向かう。Google Mapの情報からは、次の夜市は観光客が多そうな雰囲気を感じた。
電車に乗るために大通りを歩いて駅に向かう。交差点の向こう側にはすき家。こちら側には吉野家とモスバーガー。さらにあちらには大戸屋と、日本のフードチェーンがとても多かった。どの店も相応に賑わっているようで、台北の方々にも日本食が気に入ってもらえているようだった。
士林夜市は駅を出てすぐに屋台の賑わいが目に飛び込んでくる。というかお客が道路に飛び出している。平然と1車線潰して営業する光景が、いま自分たちは東京を飛び出し旅している事を教えてくれた。
ここでは焼き鳥やスイーツ、お餅みたいなものなど色々と対戦を申し込んだ。どれも外れなく美味しかったが、やはり混んでいるお店には理由があり、そうでないお店にも相応の理由があるのだと勉強になった。
Qスクエアのスーパー
その後は再度電車に乗り台北駅に戻り、スーパーでお土産を確保することにした。旅先で現地のスーパーを物色するのが好きなのだが、この日は時間が遅かったこともありいわゆるローカルなスーパーはどこも閉まっていて、台北駅直結のQスクエアという商業施設地下にあるスーパーに向かった。
お店の佇まいは東京でいうと紀ノ国屋のような高級感を感じる。だからかもしれないが、店内は驚くほど日本食材が多く、スナック菓子コーナーに至っては8割は日本のものだったんじゃないだろうか。
現地のお菓子が殆ど無いとなると意外と選択肢は絞られ、結果的に麺類ばっかり買い込むことになってしまった。
2日目:定番の観光スポットを抑えにいく
早起きして仕事の予定をこなした後、観光に出かけた。
まずはホテルから歩いて中正紀念堂に向かう。恥ずかしながら台湾の歴史や立場についてあまり知識を持ち合わせていなかったので、移動の間に色々と調べてみた。それによると中正紀念堂は台湾の成立やアイデンティティに深く関わる場所であるらしい。ベトナムであればホーチミンの銅像のようなものが性質は近いだろうが、日本ではどんなものがそれにあたるのだろう。正直なところ古事記や神話に出てくるような話にはあまり現実感を感じられないし、うーむとなってしまった。
紀念堂は想像の何倍も大きかった。毎時00分になると儀仗隊の交代が行われ、ちょうど訪れたときにもそれが行われていた。観光客仕草として色々と写真を取るのだが、台湾の人にとってこの場がどういうものなのかを考えると少しだけはしゃぐ気持ちを抑えた方が良い気もした。
Uberでびゅっと九份へ
中正紀念堂を出てUberを呼ぶ。次の目的地である九份老街へは電車とバスを乗り継いでいく方法もあるようだったが、車内で少し仕事も片付けておきたかったのでプライベートな空間を確保するためにもUberにした。そう、今回の旅はあくまでビジネストリップなのだ。
九份老街は、ある意味今回の台北の旅の中で最も事前情報の通りの印象を受けたかもしれない。イメージ通りに圧倒的で、イメージ通りに台湾だった。古い旧市街に観光客がひしめく。
きっと観光地化される前は別の活気があったのだろうが、今は観光客をターゲットに食べ歩きのご飯も出すしお土産用の茶葉も売る、ネックレスも売る。完成された観光地だった。
九份老街の雰囲気を体感したいなら、ここに一泊して夜や早朝の街を歩いてみないといけないのかもしれない。ただ今回はあくまでビジネストリップなので、すぐに台北市内にとんぼ返りする。Uberなら45分程度で運んでもらえる距離だ。また来る機会もあるだろう。
台北101
九份老街の入り口付近はバスとタクシーでものすごく混雑しているが、そこを抜けると渋滞に巻き込まれることなく台北市内まで戻ってこれた。台北の街は車が多いようにみえたが、それでも3日間の滞在中は渋滞と呼ぶようなものには遭遇しなかった。
続いてやってきたのは台北101。名前の通り101階建てのタワーを擁する商業施設で、上層部には展望台もある。
低層部はハイブランドやアパレルが立ち並んでおり、その綺羅びやかさは東京のそれよりもよりギラつきを感じた。バンコクのサイアムエリアなんかに雰囲気が近いかもしれない。
あいにくの曇り空だったが、これがよく晴れた日だったら一層きれいだったのだろう。雨には降られなかったものの、3日間通してこんな感じの天気だった。また台北に来るときには晴れてくれることを願おう。
展望台に登るときに買ったチケットに白水豆花の割引券が入っていた。せっかくなのでこれを使って豆花を食べる。
再三に渡り言い訳がましく書いているように台湾カルチャーの予備知識ほぼゼロで臨んでいるこの旅だったが、豆花は本当に美味しかった。すごく気に入った。なぜこれまで知らなかったのだろうと思った。美味しいのに豆腐のようなものなので太る心配もしなくていいし、罪悪感なしに食べられるスイーツは30代の体によく染みる。
きっと豆花にもいろいろなスタイルがあるのだろうが、白水豆花はモダンな雰囲気でおしゃれな人々にも愛されていそうな気配を感じた。
2日目はこの後は会食を挟みホテルに戻ってそのまま終了。無理くりねじ込んだにしてはアイコニックなスポットを巡れてなかなかに満足度が高かった。 この日の戦利品は松山茗茶のティーバッグのみだった。
3日目:最終日にして最高の食に出会う
日本との時差の関係で早朝からのミーティングを余儀なくされたが、そのあと朝食を求めてホテルを出た。思えばホテルでも朝食が用意されていたはずだが、2泊とも外で食べてしまっていたな。
最初に目指したのはホテルから近所の阜杭豆漿だったのだが、完全に出遅れていた。朝食の人気店だということは知っていたつもりだったが、AM9:30時頃に到着した頃には100組くらいが建物をぐるっと取り囲むように並んでいて流石に断念せざるをえなかった。 Google Mapに書かれていたとあるレビューでは「AM5:20に到着した時点で既に50組待ち」なんていう信じがたい情報もあった。これは次回の台北旅行への宿題にしよう。
雙月食品社
そういうわけで急遽探したプランBが、結果的には大当たりだった。向かったのは同じくホテルから徒歩圏内にある雙月食品社というお店で、ビブグルマンにも長年選ばれているらしい。 こちらはAM10時少し前にお店に到着するとちょうど開店するところで、殆ど待つことなく入ることができた。(とはいえこちらも開店から間もなく満席になっていた)
幾つか注文したが、抜群に美味しかったのがこのもちもちの麺「愛恨椒芝麵」。名前が物騒なのでなかなか覚えられないし読み方も想像がつかないのだが、とにかく美味い。台北で色々食べた中でも文句なくこれが一番美味しかった。 麺のモッチリ感と花椒の効き具合い、胡麻ソースの絡みつきかたなど、とにかく美味い。これで70元くらいだったと思うので、美味しいのに安すぎる。3日間毎日3食これでも嬉しいくらい気に入ってしまった。もっと早く出会いたかった。
50嵐
最終日に運命的な出会いもあったが、概ね訪台前に考えていたことはできた3日間だった。そんな台北やることリストの最終盤に位置していたのがタピオカミルクティー。 きっと探してみるとこだわりの店やおしゃれな店もあったのかもしれないが、ホテル近くの50嵐で買って帰る。街を観察してみた結果、どうやらこの50嵐というのはメジャーなチェーン店のようだった。
こうしてバタバタと過ごした初めての台北旅も終りを迎え、ホテルをチェックアウトして桃園空港へと帰路についたのだった。
離陸前、A380をすぐ近くで見れて嬉しかった。やはりデカい飛行機はかっこいい。